まず、映画製作は
①プリプロダクション(準備段階)
②プロダクション(撮影作業)
③ポストプロダクション(ポスプロ・仕上げ作業)
という作業工程を踏みます。
【特報】は①のプリプロ段階から②の撮影中に製作され、公開の半年〜1年前から劇場で流されることがほとんど。まだしっかりした映像が準備されていないものが多く、宣伝用スチールや文字だけで構成されたものや、まったく本編の画像素材がないものも中にはあります。
■映画「寄生獣」特報
2014年11月29日公開の映画「寄生獣」。それに先駆けて7月に公開されたのがコチラの特報です。予告編とどう違うか注目しながらご覧ください。
そして【予告編】は、仕上げ段階となる③ポスプロ段階で作られる映像。本編の内容や見どころなどが挿入されているのが特徴です。テレビCMなどでよく見るバージョンがこちらですね。
■映画「寄生獣」予告編
また、【予告編】や【特報】で流れる映像は近年、予告編制作会社というそれらを専門に扱う会社が製作するようになっています。そのため、本編よりも注目を引くクオリティになっていたり、「予告編で期待したのとは違った…」という不思議な現象が見られるようになりました。予告編制作会社の力の見せ所ですね。
【特報】にしても【予告編】にしても、最大の目的は観客の囲い込み。新聞の号外が出ると「大事件だ」と考える心理が働くように、【特報】を作ることはその作品に対して大きい関心を惹くことが出来る重要な宣伝ツールとなっています。
また、「専門会社が一生懸命作ってくれたものだしDVDの映像特典として入れておこう」こんな心理が働いているように思えます。
というわけで、映画が公開される前では【特報】の方が強いインパクトを持ちますが、映画が公開された後では【特報】よりも【予告編】の方が見どころのある完成したイメージを持つ特性を持っています。
そんなわけで特典DVDにある【特報】【予告編】映像もそういう視点で見るとまた違った発見もあるかもしれません。
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